薬剤部

回復期リハビリテーション病院での薬剤師の関わり

当院は、急性期病院での治療を終え、在宅復帰を目指し少しでも住みなれた地域や自宅に帰って心豊かな生活が行われるためのリハビリテーションを専門に行っています。
そのなかでも薬剤師は、急性期病院のように各科の医師がそろっているわけではないので、幅広い薬剤の知識が必要になります。また、薬物治療だけではなく、生活環境を考慮した関わりを持つことが大切になってきています。
当院の薬剤部は、全ての外来・入院患者さんに対して、安心で安全な薬物治療を確保するため、日々、調剤業務及び薬剤管理業務に努めています。また、隣接の介護老人保健施設「リハ・神戸」調剤業務も行っています。“やさしさ”と“ぬくもり”を大切にして、患者さんの心に寄り添いながらお薬に関して「わかりやすいかたち」で提供できるように努め、お薬の専門家として医療に貢献します。
また、多職種との交流を大切にし、“縁の下の力持ち(=アンサングヒーロー)”として少しでも患者のためにと日々奮闘しています。

スタッフ紹介

(2023年5月現在)6名

集合写真
集合写真
  • 日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物療法認定薬剤師:1名
  • 糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士:1名
  • 日本薬剤師研修センター認定 認定実務実習指導薬剤師:1名
  • 兵庫県薬剤師会 禁煙指導認定薬剤師:1名
  • 糖尿病療養指導士兵庫県連合会 兵庫県糖尿病療養指導士(CDE兵庫):1名

調剤

調剤室

入院前から患者情報を精査し、入院時に処方状況の確認と情報提供を行っています。入院中は、わかりやすく間違いなく服用して頂けるよう服用時間毎の一包化を基本にしています。

配薬

配薬トレー
配薬トレー

お薬は、服用時間毎にトレーにセットして配薬車で病棟に払い出しています。入院期間中リハビリに専念して、成果が得られるように薬物療法の面からサポートしています。

注射薬調剤

注射処方せんによる1施用ごとの個人セットを実施しています。

院内製剤

軟膏剤の煉合、液剤の分注、散剤の分包等を行っています。

医薬品情報

お薬相談室

お薬相談室では医薬品に関する情報を収集、管理して薬物療法や患者さんからのお薬に関する質問への対応を行っています。医療スタッフへは各種相談対応、お薬の情報ニュースの発行、各種委員会からの依頼による対応等をすることで適切な薬物療法に貢献しています。

学会発表・研究・講演等

<2023年度>

学会発表

  • 第18回医療の質・安全学会学術集会 2023.11.25~26
    『睡眠導入薬の院内フォーミュラリーの導入による効果検証』
    奥貞 智1)5) 菱田 みか1)5)、東田 成美1)、池田 忍1)、岸部 舞子1)、西岡 和子1)
    西 千代美2)5)、尾﨑 朋子2)5)、佐藤 倫明3)、石田 哲也4)5)
    1)神戸リハビリテーション病院 薬剤部
    2)神戸リハビリテーション病院 看護部
    3)神戸リハビリテーション病院 精神科
    4)神戸リハビリテーション病院 整形外科
    5)神戸リハビリテーション病院 リスクマネージメントチーム(RMT)
  • 第45回日本病院薬剤師会近畿学術大会 2024.1.27~28
    『回復期病棟における新型コロナウイルス対策―当院でのレムデシビル使用調査』
    池田 忍1)、岡田 章2)、奥貞 智1)
    1)神戸リハビリテーション病院 薬剤部
    2)武蔵野大学 薬学部

論文

  • 日本病院薬剤師会雑誌 2023.No.6
    『入院前準備センターにおける薬剤師業務の分析とその応用』 (共著) 奥貞 智
<2022年度>

講演

  • 糖尿病ステップアップセミナー2022(主催 糖尿病療養指導士兵庫県連合会)2022.7.3
    『薬が真の鎧になるために ~患者の支援につなぐ~』 奥貞 智

学会発表

  • 近畿薬剤師合同学術大会2023 2023.2.4~5
    『睡眠導入薬の処方状況の変遷および転倒転落防止への波及効果の検証』
    奥貞 智 1)2)、 菱田 みか1)2)、東田 成美1)、池田 忍1)、岸部 舞子1)、西岡 和子1)
    高藤 ひろ美2)3)、石田 哲也2)4)、増本 憲生6)、岡田 裕1)5)
    1)神戸リハビリテーション病院 薬剤部
    2)神戸リハビリテーション病院 リスクマネージメントチーム(RMT)
    3)神戸リハビリテーション病院 看護部
    4)神戸リハビリテーション病院 整形外科
    5)神戸在宅医療・介護推進財団 感染管理官
    6)神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部・医療安全管理室

論文

  • 日本くすりと糖尿病学会 11巻(2022).2号
    『病院薬剤師および薬局薬剤師を対象としたインスリン皮下硬結の理解度と指導実態に関する調査』(共著) 奥貞 智

チーム医療・各種委員会等への取り組み

褥瘡対策・RNST、感染対策、内部障害リハ推進チーム、教育・研究支援チーム、リスクマネージメント、職員安全衛生、広報委員会、患者サービス委員会等さまざまなチームに薬剤師が参加しています。その中で薬剤師の専門性を生かし、チーム医療に貢献しています。

各種取り組み

  • 院内フォーミュラリーの作成
    1.睡眠導入薬
    2.PPI/P-CAB
  • 薬学部1年生の早期体験学習実施
  • 薬学部4年生の長期実務実習事前学習へ協力
  • 大学-医療連携業務への協力
  • 薬学生の実務実習アドバイス学習実施

【睡眠導入薬フォーミュラリー】

【目的】

ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、過鎮静・認知機能低下・記憶障害・せん妄・転倒骨折、運動機能低下のリスクが高いので漫然と長期投与せず、減量・中止を検討することが求められている。
(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン、厚労省の「高齢者の医薬品適 正使用の指針」より)
退院後も少しでも安心・安全な薬物療法を継続するための取り組み。

推奨第1選択薬第2選択薬
分類オレキシン受容体拮抗薬メラトニン受容体作動薬ベンゾジアゼピン
受容体作動薬
(非ベンゾジアゼピン系)
抗うつ薬
薬品名デエビゴ錠5mgラメルテオン錠8mgルネスタ錠1mgレスリン錠25mg
一般名レンボレキサントラメルテオンエスゾピクロントラゾドン

【PPI/P-CABのフォーミュラリー】

薬品名簡易懸濁
第1推奨ランソプラゾールOD錠15mg「トーワ」単独・水
第2推奨エソメプラゾールカプセル「ニプロ」20mg脱カプセル
第3推奨タケキャブOD錠20mg(1回0.5錠)